位牌の選び方 【更新日】
お位牌を購入するとき、魂入れ・魂抜きをするとき、永代供養に出すときの相場
日常の中で頻繁に買い替えたり処分したりすることのないお位牌。
お位牌の購入や処分に関わる費用の相場について詳しくご存知ではない方も多いと思います。
お位牌に関わる費用の相場は幅広いもので、例えばお位牌の購入だけなら数万円で済みますが、お位牌を処分する際にお位牌の永代供養を依頼すると数十万円くらいかかることも。
将来お位牌の購入や処分を検討されている方は、費用の面も含めて早いうちから情報収集をして準備しておいても損はありません。
今回はお位牌の購入や処分に関する費用の相場をご紹介いたします。
目次
お位牌の相場は良質な素材を使い手間暇かけたものほど高くなります
お位牌ですが、大きく分けて唐木位牌・塗位牌・モダン位牌の3つの種類があり、その種類ごとに相場が変わってきます。
それぞれのお位牌の値段の相場についてご紹介いたします。
唐木位牌の相場は2~5万円で、木の素材や塗装の仕方で値段が変わります
木の木目が美しく、シンプルな作りのものが多い唐木位牌。
唐木位牌の値段の相場は2~5万円ですが、お位牌に使われている木材によって値段が変わります。
唐木位牌に使われている木材の中でも高級なのが「黒檀(こくたん)」「紫檀(したん)」という木材です。
黒檀や紫檀は非常に耐久性が高く腐りにくいため、お仏壇やお位牌にぴったりの素材です。
黒檀や紫檀の中でもグレードが高いものを使っているお位牌ほど、値段も高くなります。
黒檀や紫檀以外にも唐木位牌には屋久杉や欅(けやき)、楓、柿などの木材が使われることがありますが、やはり木材そのものが高級であればあるほどお位牌の相場も高くなりますし、木材がお安くなるほどお位牌の相場も安価にお求めいただけるようになっていきます。
もう一つ唐木位牌の値段を決めるのが表面の塗装の仕方です。
熟練の職人が漆を丹念に何層にも塗って磨き上げたお位牌は、手間暇かけている分やはり相場も高くなります。
また豪華な彫刻や蒔絵が手仕事で施されているようなお位牌は、大量生産されるお位牌に比べてやはり相場が高くなります。
塗位牌の相場は1~3万円で使われている漆の種類で値段が変わります
昔ながらの伝統的な風格を感じさせる塗位牌。
塗位牌の相場は1~3万円ですが、この値段はお位牌に使わてれている漆の種類によって変わります。
塗位牌に使われる漆には「本漆」と「カシュー漆」があります。
本漆を使っているお位牌は「塗り・研ぎ・磨き」を丹念に繰り返すことで仕上げられています。
何度も塗り重ねられた漆は強度が増し、使い込むほどに艶が増していきます。
本漆を塗るには熟練の職人の技が求められ時間をかけて丁寧に作られるため、本漆を使っている塗位牌は値段の相場が高くなります。
カシュー漆は本漆とは違い、塗りや研ぎの工程を短縮することができるため、本漆に比べて作業効率が高くたくさん作ることができます。
その分お位牌の相場も安くなるのです。
モダン位牌の相場は1~5万円で手間暇かけて作られたものほど値段の相場が上がります
モダン位牌は最近の住宅事情に合わせて広まってきたお位牌です。
洋風の住宅にも合うようなデザインのものも多いモダン位牌ですが、唐木位牌や塗位牌のように決められた材料はありません。
ですから、高級な材料を使って作られたものや手間隙かけて作られたものほど、値段の相場が高くなる傾向にあります。
お位牌に魂入れをする時の相場は1~5万円です
購入したお位牌は、何もしないままだとただの木の札と同じことです。
ですからお位牌をお使いになる前にご僧侶に依頼し、魂入れ(開眼供養)をして頂く必要があります。
ご僧侶にお経を上げてもらい開眼供養を行うことで、お位牌は木の札から、故人の魂が宿り故人そのものになると言われます。
この開眼供養ですが、菩提寺のご僧侶に依頼することになりますのでお布施が必要になります。
このお布施の相場ですが、一般的には1~5万円と言われています。
ただ菩提寺によって相場が変わりますので、いくら包むか悩まれた時には直接ご僧侶にご相談してみても構いません。
聞きづらい場合には「皆さんいくらくらいお包みしていますか?」と尋ねてみると、大体の相場を教えていただけるでしょう。
また、ご僧侶が遠方から来られる場合には、お車代も用意するようにしましょう。
お位牌の魂抜き~お焚き上げの相場は5千円~5万円です
お位牌を継ぐ方がいらっしゃらない時や引っ越しする時など、やむを得ない理由でお位牌の処分を検討されることもあると思います。
お位牌の処分には「魂抜きをしてお焚き上げをして頂く」方法と「永代供養に出す」方法と二つの方法があります。
まずは魂抜きをしてお焚き上げを依頼する際の相場についてご紹介いたします。
先ほどご紹介した魂入れとは反対に、魂抜きをすることでお位牌はただの木の札になります。
魂抜きをせずにお位牌を処分することは、故人の魂も一緒に処分してしまうことになりますので、必ず魂抜きは行うようにしましょう。
魂抜きも魂入れと同様、菩提寺のご僧侶に依頼して供養をして頂くことになります。
その際のお布施の相場は1~5万円ですが、いくら包むか悩まれたら菩提寺に相談してみましょう。
魂抜きをしていただいたお位牌は菩提寺に依頼すれば、そのまま持ち帰ってお焚き上げして頂くことができます。
お焚き上げにかかる費用はお布施に含まれていますので、更に追加でお布施を支払う必要はありません。
菩提寺がない場合
お位牌の魂入れや魂抜きを依頼する際、懇意にしている菩提寺がなくお困りの方もいらっしゃるかと思います。
その場合には「僧侶手配サービス」やお位牌などの処分を行ってくれる専門業者に依頼するのがおすすめです。
このようなサービスは菩提寺のご僧侶にお布施を支払うのとは違い、値段がはっきりと明記されていることが多く、費用に関して悩む心配がありません。
「お坊さん手配サービス」では、魂入れや魂抜きの相場が3~5万円前後になっています。
お位牌の処分~お焚き上げまで行ってくれる専門業者に依頼した場合の相場は、5千円~1万円程度のようです。
専門業者に頼んできちんと供養してもらえるか心配な方は「供養証明書」などを送ってくれる業者を選ぶようにしましょう。
お位牌の永代供養の相場は3万円~50万円です
お位牌を引き継ぐ家族がいない場合など、家族に代わり寺院で引き続き供養をして頂けるのが永代供養です。
本来の永代供養というのは、お墓を持たない方を寺院に合同で埋葬し定期的に供養することを指すのであり、必ずしもお仏壇やお位牌が必要な訳ではありません。
しかし、寺院にご相談すればお位牌の永代供養も引き受けて頂けることが多くなっています。
永代供養を行っている寺院の中には、檀家ではない場合にも安い値段で永代供養を引き受けてくれるところから、年間管理料などを納める寺院もあります。
そのため相場の値段は幅広く、3万円程度で依頼できるところから、50万円ほどかかるところまであります。
永代供養は長年にわたり寺院がご家族に代わり供養を行ってくれることになるので、その分費用もかかる傾向にあります。
ただお焚き上げして頂くのとは違いお位牌を残したまま供養を続けて頂くことができますので、お位牌を残しておきたい方は永代供養を検討してみてはいかがでしょうか。
お位牌に関する費用の相場は幅広くなっていますが、高ければ良い、安ければ悪い、と一概に言えるものではありません。
一番大事なことは故人やご先祖のことを想い、供養する気持ちではないでしょうか。
焦って決めるあまり、後になって悔やむことになるとその先ずっと心残りになってしまうこともあります。
お位牌を購入する際にも処分する際にも、位牌に関する相場などの情報を収集し納得して選ぶことで、すっきりした気持ちで故人やご先祖を供養することができるはずです。
お位牌の購入や処分を検討されている方は、ご自身の状況に合わせて後悔のない選択をするように心がけましょう。