位牌の選び方 【更新日】
お位牌の値段はご位牌の種類や材質、製法によって大きく変わります
お位牌、と一口に言っても様々な種類があることをご存知でしょうか。
お位牌というと昔ながらの黒で統一されたお位牌を想像される方も多いと思いますが、洋間にも合うようなモダン位牌や、伝統の技を駆使した会津位牌や高野位牌など、お客様の好みに合わせて選べるようになっているのです。
もちろんお位牌の種類によって値段も様々なのですが、一見同じように見えるのにどうしてこんなに値段が違うんだろう?と疑問に思われることもあるのではないでしょうか。
今回はお位牌の値段の違いを詳しくご紹介いたしますので、是非お位牌を選ぶときの参考にしてみて下さいね。
目次
木のぬくもりを感じる唐木位牌の値段の相場は2~5万円です
お位牌の中でも木の存在感を感じることができる唐木位牌。
唐木位牌の値段はまず、お位牌に使われている木の素材によって決まります。
唐木位牌には黒檀(こくたん)や紫檀(したん)と言う、木材の中でも最高級のものが使われています。
黒檀や紫檀にもグレードがあり、高級なものを使うほど値段も高くなっていきます。
またお位牌の塗装の仕方や装飾・彫刻の違いなどによっても値段ががらりと変わります。
例えばこちらはメモリアル仏壇で取り扱っている唐木仏壇の中でも最高級品である「上等猫丸 黒檀」
土台の部分が大変緻密な作りになっているのがお分かりいただけるかと思います。
こちらは熟練の職人の手から生み出されたもので、こういった豪華な彫刻が施されたものは値段も高くなっております。
こちらは「京霞 紫檀」
一見シンプルなお位牌ですが「透き漆」という透明な漆を何層にも重ねて仕上げています。
職人が丹念に漆を塗り磨き上げることで、上品な仕上がりになるのです。
こちらは塗装や装飾にこだわることで、値段が高くなっております。
シンプルで美しい塗位牌の値段の相場は1~3万円です
お位牌といえばこれ、と多くの人が思い浮かべるのが塗位牌なのではないでしょうか。
昔ながらのデザインのものが多く、伝統的な塗位牌を選ばれる方も多いと思います。
塗位牌の値段はお位牌に塗られている漆の種類によって決まります。
塗位牌に用いられている漆は「本漆」と「カシュー漆」という二つに分けられます。
本漆を塗る際は、「塗り・研ぎ・磨き」などの工程が大変多く、その分手間がかかっています。
それだけの手間をかけている本漆のお位牌は、塗ってから硬くなり、年月を重ねるごとに艶が増していきます。
末永くお使いいただきたい方にはぴったりのお位牌です。
カシュー漆は塗りや研ぎの工程を大幅に短縮することができます。
本漆のお位牌と比べると見栄えは変わらないように見えますが、カシュー漆は塗った瞬間が一番硬く、本漆のように艶が増すこともありません。
ですからその分本漆のお位牌に比べて値段が安くなっているのです。
また唐木位牌と同じように、上質な装飾を施していたり高級な木材や金箔を使用しているお位牌ほど、値段が高くなっていきます。
デザイン性の高いモダン位牌の値段の相場は1~5万円です
最近では昔ながらの仏間ではなく、普段お使いのリビングなどにお仏壇を安置される方が増えています。
そのため洋間に置いても違和感のないモダン仏壇を選ばれる方が多くなっています。
モダン仏壇に合わせて、デザイン性の高いモダン位牌を選ばれる方も多く、様々な種類のお位牌があります。
モダン位牌には様々な素材が使われており、一概に値段の決め手になるようなものがありません。
ただ唐木位牌や塗位牌のように、高級な素材が使われているもの、豪華な装飾が施されているもの、手間暇かけて作られているものは値段が高くなる傾向にあります。
様々なデザインのお位牌があるので、見比べて選んでみるのもおすすめです。
職人の技が光る会津位牌の値段の相場は2~10万円です
職人の伝統的な技が光る会津位牌。
こだわりが詰まったお位牌が多く、やはり手間暇かけられて作られたものは値段が高くなっています。
会津位牌の中でも安い値段で売られているのが、「普通塗り仕上げ」のものです。
艶々というよりはマットな仕上がりになっています。
鏡面のように美しい艶を生み出すのが「上塗り仕上げ」。
熟練の職人が手間隙かけて作り上げています。
漆を何度も刷り込み磨きの工程を何度も繰り返すことで、美しい仕上がりになるのです。
漆工芸の中でも最も工程数が多いのが「呂色仕上げ」。
炭で何度も研ぐ「炭研ぎ」と「摺り漆」、「磨き」を何度も何度も繰り返すことで、刷毛の跡が全く見当たらない、大変美しいお位牌になります。
内から滲み出てくるような深い光沢は、他のお位牌にはない重厚感を醸し出しています。
メモリアル仏壇の中で最も値段が高い会津位牌が、こちらの「本甲丸 さざれ波:白銀」
こちらは漆芸技法の一つである「蒔絵」などを何重にも重ねて作られています。
丁寧な手作業から生まれた「さざれ波蒔絵」は、他にはなかなかないデザインであり、上品で落ち着いた輝きを放ちます。
伝統的な技を駆使した高野位牌の値段の相場は5~15万円です
伝統的な技を駆使し手作業で丹念に作られている高野位牌。
木地・下地・塗り・金粉という全ての工程において、熟練の名匠とも呼ばれる職人の手により手間暇かけて作られています。
その分、他のお位牌に比べて値段が高いものが多くあります。
高野位牌も漆の塗り方や装飾の施し方などによって、値段が大きく変わってきます。
伝統的な技を駆使した高野位牌の値段の相場は5~15万円です
回出位牌というのは、戒名や法名が書かれた札を何枚も入れることができるようになっているお位牌のことです。
ご先祖がたくさんおりお位牌の数が増えてきたら、こちらの回出位牌にまとめることができます。
一般的に三十三回忌を迎えると、亡くなられた方の霊魂はご先祖になると言われていますので、そのタイミングで回出位牌に切り替える方が多いようです。
回出位牌は塗位牌のような作りのものから唐木位牌のような作りのものが多く、使われている素材や塗装も様々です。
高級な素材を使っていたり細かな装飾をかけているようなものは、やはり値段が高くなります。
メモリアル仏壇が取り扱っている回出位牌の中で最も高い値段のものが、こちらの「回出 優雅 鳳凰 黒檀」です。
こちらには木材の中でも最高級品にあたる黒檀が使われております。
硬く耐久性に優れている黒檀は、末永く使うことになる回出位牌にはぴったりです。
また職人の手によって丁寧に施された鳳凰の蒔絵が美しく、金沢産の金粉がお位牌を華やかに彩ります。
お位牌の値段は使われている素材や塗装の仕方によって大きく変わってきます。
職人の手によって作られているものは値段が高いものも多いですが、思わず惚れ惚れしてしまうくらい美しいお位牌もたくさんありますよね。
お位牌は値段が高いから質が良いもの、値段が安いから質が低いもの、とは一概に言い切れません。
お位牌というのは故人そのものです。
お仏壇に手を合わせお位牌に語りかける時間が充実したものになるように、是非お客様が納得できる故人にぴったりのお位牌を選んでみてはいかがでしょうか。