位牌の選び方 【更新日】
モダン位牌は現代の生活や住環境に合わせた自由なお位牌
「畳の仏間に大きな黒い仏壇」という風景は最近では見ることが少なくなってきました。
庭付きの平屋に床の間や仏間があるような日本家屋の一戸建ては都市圏には少なく、人口が集中して過密状態の少ない土地を有効利用する為にマンションやアパートなどの集合住宅が増えてきました。
このような仏間の無い造りの住宅が増え、畳からフローリング、和風から洋風へ居住様式が変化してきた現代では、洋風の部屋に合わせてお仏壇もモダンな物が多くなってきています。
「モダン位牌」はこのようなモダンな住宅、モダンな仏壇に合わせて生まれました。時代に合わせて生活が変わり、生活に合わせて住宅やお部屋、お仏壇やお位牌も変化してきています。
目次
モダン位牌は現代の生活環境に合わせたデザインのお位牌です
仏教の言葉に「諸行無常(しょぎょうむじょう)」というものがあります。
「この世は常に変化しており、不変のものはない」という考え方で、ピカピカの新車もいくら丁寧に整備していても、時が経てば廃車になりますし、今日生まれた赤ちゃんもいずれは仏となる時が訪れます。
常に変化し続けているのは物や人だけではなく「人々の暮らす社会」や「世間の常識」「言葉遣い」「住環境」などの形の無いものにも同じことが言えます。
現代の住宅では手入れの手間のかかる畳よりも、掃除がしやすいフローリングの方が好まれますし、物が飽和している時代には仏間よりも収納スペースの方がありがたがられるのも、一つの変化と言えるのでしょう。
このような住宅の洋風化に合わせて、モダン仏壇が作られるようになりました。
そして、モダン仏壇に合うお位牌として「モダン位牌」が作られるようになったのです。
モダン位牌には伝統的な唐木位牌・塗り位牌の荘厳で重厚な良さとはまた違った、別の良さがあります。
明るい色調や今までのお位牌の枠にとらわれない自由なデザインの数々の中には、故人の個性を表すのにピッタリなモダン位牌が見つかるでしょう。
モダン位牌が選ばれる理由は「価格の安さ」「故人らしさ」「部屋に合う」
モダン位牌が選ばれている理由は何でしょうか?
様々な理由があると思いますが、その中でも大きな理由がこの3点です。
モダン位牌の価格は2万円程度の物が多い
唐木位牌などの伝統的なお位牌に比べて、モダン位牌は2万円程度の価格帯が多く、購入しやすさという点で多くの方に選ばれる理由の一つとなっております。
伝統的なお位牌でもお値段に幅はありますが、最高級の素材を贅沢に使い、熟練の職人の手によって丹精込めて造られたお位牌は数十万円するものもあります。
もちろん、モダン位牌の中にも輪島塗や会津塗のような高級なモダン位牌もありますが、数としては多くはありません。
モダン位牌は素材もデザインも種類が多い
モダン位牌は伝統的なお位牌に比べ素材の幅もとても広く、黒檀、紫檀などのオーソドックスな物からクルミ材、メープル材、竹材、中にはクリスタルガラス製のお位牌まであります。
デザインも多種多様で、シンプルな物から豪華な物まで実に様々です。
故人の性格も人それぞれですから、故人にピッタリのお位牌が選べる点もモダン位牌の大きな魅力です。
モダン位牌は洋室のお部屋に合う
お仏壇やお位牌は親から子へ受け継がれる物です。
和室や仏間のある親の世代の時は良いのですが、受け継いだ子の代では主に洋室が多い家屋の作りが主流の時代ですので、どうしても伝統的な黒や茶のお仏壇ではお部屋に合いません。
お部屋に合わせたモダン仏壇に買い替えたとしても、ご先祖様そのものであるお位牌がそのままですと、モダン仏壇の中では浮いてしまいます。
その点モダン位牌であれば、モダンな部屋やそこに設置されたモダン仏壇にも違和感なくお使いいただけるでしょう。
モダン位牌の選び方は自由で故人を象徴するデザインが選べますが、置き方には注意が必要です
モダン位牌に限らず、お位牌の選び方には宗派によっての決まりはありません。
お位牌の素材やデザインなどはご自身でお好みのものを選ぶ事ができますが、そもそもお位牌は故人を象徴する物で、仏壇では遺骨や遺影よりも上に置かれるくらい大切な物です。
ご自身だけの想いだけでなく、ご家族や親族にも配慮した上で、故人の性格や人柄を表すようなお位牌を選ぶことが大切です。
またモダン位牌を祀る際には、お位牌がお仏壇に置けるかの確認をしましょう。
お位牌のサイズや、既にあるのお位牌の数によっては窮屈になってしまう場合もあります。
お位牌の並べ方には決まりがあります。
下座のお位牌の高さが上座のお位牌の高さを超えないようにし、いずれのお位牌の高さも御本尊様の目線の高さを超えないように祀ります。
お仏壇内のお位牌の上座・下座については、上段の向かって右側が上座で、上段の左側、下段右側、下段左側という順番に下座になってゆきます。
モダン位牌は自由に選べますが、お仏壇への置き方には決まりがありますのでしっかり確認してご先祖様にご無礼の無いように正しい置き方でお祀りしましょう。
人気ナンバー1のモダン位牌「優徳 ブラウン」のご紹介
優徳 ブラウン
2012年度グッドデザイン賞を受賞したモダン位牌です。
全体に花梨(カリン)材を使用した、美しい温かみのある木目と、柔らかみのあるデザイン性の中に漂う高級感が特徴です。
花梨材は硬く耐久性に優れ、唐木の一つで家具、器具、楽器などに装飾的な目的で使用される高級木材です。
「優徳 ブラウン」の美しい木目は一層一層と年を重ねた年輪から生まれました。
そのお位牌に名前を刻み、お仏壇に展示することによって故人の命が自然の中に組込まれて行くかのように雄大な世界観を与えてくれます。
縁の部分は上質で美しい光沢を持つ金沢の高級金箔「五毛色金粉」を100%使用しています。
シンプルでモダンなデザインは、金で覆われた淵を引き立たせ、高級感と上品さを漂わせます。
また台は丸みのあるデザインなので、柔らかみがあり温かい印象を与えます。
実用的にも、奥行きが短いので本尊台が小さめのミニ仏壇でもゆとりを持って置くことができます。
モダン位牌は常に変化しつづける社会に合わせて生まれてきました。
モダン位牌が生まれたのはモダン仏壇に合うお位牌が求められたからで、モダン仏壇はモダンな部屋に似合うお仏壇が必要とされた為に作られました。
社会の変化により人々の生活様式が変わると、それに合わせて身の回りの物から伝統的な物まで少しずつ変化してゆきます。
いつの時代でもその時の生活や習慣に合わせた供養の形があります。
伝統やしきたりは大切ですが、あまり縛られすぎずに現代の生活、現代の環境に合わせた自分らしい供養でご先祖に感謝の気持ちを表したいですね。