位牌の選び方 【更新日】
回出位牌は「くりだしいはい」と読み、たくさんの位牌を1つにまとめる位牌です
回出位牌 (くりだしいはい)は、箱型の位牌で札板が8〜10枚程収納できる位牌です。
繰出位牌と書かれている場合もありますが同じ位牌のことです。
最初から回出位牌をお位牌として選ぶことは無く、先祖から受け継がれたお位牌の数が多くなってきた場合に使われます。
形は扉や屋根がついているものからシンプルな物まで様々ですが、複数の札板が入るため通常のお位牌よりも奥行きがありますので、購入前にお仏壇のサイズを確認しておく必要があります。
では回出位牌の形の種類にはどのようなものがあるでしょうか?
収納する札板の並び順に決まりは?
回出位牌に札板をまとめるタイミングや、まとめた後に今までのお位牌はどうしたらいいのでしょうか?
さまざまな疑問があるとおもいます。
先祖代々の魂を受け継ぐ大切なお位牌ですから間違いの無いようにしたいですね。
目次
代表的な回出位牌は6種類で「春日型」が一番ポピュラーです
回出位牌には様々な形がありますが、代表的な物をご紹介します。
・春日型 一般的な箱型の回出位牌
・勝美型 頭頂部が木瓜(もっこう)型で虫食い塗りの技法を使用した回出位牌
・利休型 反屋根型の厨子(ずし)のような形の回出位牌
・千倉型 京都を中心とした地域で生まれた直線的で細かい細身の回出位牌
・葵角切型 木瓜型の頭頂部で台座の角をなめらかに削った曲線的な回出位牌
・猫丸型 框座(かまち)の形が猫の後ろ足の様に丸まった回出位牌
・桜門型 框座が桜門の形に似ている回出位牌
この他にも地域によって数多くの回出位牌の種類があります。
回出位牌におまとめるタイミングは三十三回忌や五十回忌などの法要時
回出位牌にお位牌をまとめるタイミングについては迷われる方も多いのですが、五十回忌を一つの節目とされている方と、「先祖の仲間入りをすると言われる三十三回忌の」タイミングで回出位牌にするという方が比較的多いようです。
ですが、もっと短い期間の七回忌、十三回忌でまとめられる方もいらっしゃいます。
これといった厳密な決まりはございませんので、お位牌の数やお仏壇の大きさにもよりますが、少し窮屈になってきてご先祖様が窮屈そうだな、と感じるようになったら区切りの法要の際にお位牌を回出位牌へと1つにまとめるいうのが良いでしょう。
回出位牌の札板は「黒塗り札」が一枚目、中札は命日順に並べます
回出位牌にまとめる中札の順番や文字入れについてご説明いたします。
回出位牌の中札の順番
1枚目 黒塗り札
回出位牌がどこの家の先祖を祀っていあるお位牌かを表す「〇〇家先祖代々之霊位」と彫り文字を文字入れします。
2枚目 中札(白木札・塗り札)
先祖の命日順に並べます。白木札と塗り札をどちらを使えば良いか迷われるかもしれませんが、決まりはありませんのでお好きなものをお使い下さい。
回出位牌の中札への文字入れ
中札への文字入れは
●表面
・梵字(入れない場合もありますので菩提寺に確認が必要)
・戒名 および 法名
・没年月日
●裏面
・俗名(生前のお名前)
・享年(ご逝去時の数え年)
今までのお位牌に記載されている文字の配置がバラバラな場合は、レイアウトは一つに統一するのが一般的です。
また回出位牌では故人の命日にその方の中札を一番前に出しますので、夫婦連名でのお位牌の場合は、それぞれ札板を作りますとご夫婦どちらの命日なのかが分かりますので混乱がさけられます。
回出位牌を作るときには「開眼供養」と「閉眼供養」が必要です
今までのお位牌から回出位牌にまとめる際には、今までのお位牌から魂を抜くための「閉眼供養(お性根抜き)」を菩提寺の僧侶に行っていただいてから「お焚き上げ」をしていただきます。
閉眼供養を行った後に「開眼供養(お性根入れ)」を行い、故人の魂をあたらしい回出位牌へ入れます。
この法要を行う事により、はじめてあたらしい回出位牌が位牌としての役割を持つことが出来るとされています。
人気の回出位牌の逸品をご紹介いたします
回出 優雅 風桜
回出位牌「回出 優雅 風桜」は、あらゆる資沢の中から無駄を省き緊張感を作り出すわびの世界をお位牌に託しております。
桜蒔絵金粉と光彩粉の蒔絵のコントラストで現代的な形状の中に和のテイストを融合させた新しいタイプのお位牌で、塗の美しい光沢がお位牌のシルエットにシャープさを与えています。
横蒔絵部分横部分にもワンポイントで桜模様が入っていて職人の細やかな心配りを感じさせます。
金箔・金粉はこだわりの金沢産を100%使用しました。
金沢の金箔は上質で美しい光沢を持つ高級金箔です。
春日回出 黒檀
黒地に美しい木目が浮き出た、最高級の縞黒檀を使用しています。
春日型は故人が春の日のように清々しい人生を生きたことをあらわしています。
希少な縞黒檀材は硬く耐久性に優れ、縞模様が美しく、高級木材として珍重される木材。
上品な木目がはっきりと映り、趣きのある黒と茶色の縞模様が高級感を演出し、唐木の材質の重みが重厚感を更に引き立たせます。
茄子座部分お位牌の中央にある茄子座は窓のようになっていてシンプルなデザインに奥行きと趣を与えてくれます。
下台部分の春日型(かすががた)と言われる独特の形はお位牌の中でも最もシンプルにデザインされた型です。広くお位牌で使用され、人気のある形です。
回出 優雅 春秋
カシュー塗りの美しい色味がデザインにシャープさを与えます。
台座部分の紅葉の蒔絵が美しく季節感を感じさせる人気のお位牌です。
塗り面粉にこだわり金粉と光彩粉の蒔絵のコントラストで、モダンの中に和のテイストを融合させることを実現した新しいタイプのお位牌です。
紅葉模様の蒔絵が映え、美しいデザインとなっています。
回出位牌には様々な形がありますが基本的に宗派に関係なくお好きなものを選ぶことが出来ますし、お位牌をおまとめになるタイミングも自由に決められます。
お位牌を回出位牌にまとめる際には「閉眼供養」「お焚き上げ」「開眼供養」が必要ですので、菩提寺の僧侶へ依頼してください。
先祖代々の魂を受け継いできた大切なお位牌を回出位牌にまとめることによって、巡り巡って繰り返される家族のつながりが一つになる、そんな素敵な機会だと捉えて頂き、自分の家に合った回出位牌をお求めいただければと思います。