仏壇の選び方 【更新日】
ほかの仏教団体とは違う、創価学会にとっての仏壇の意義、その選び方
日本人の仏教信仰において、仏壇は日々の心のよりどころとなっています。
しかし、その意義、位置付けは一律のものではなく、宗派や団体によってさまざまです。
コ日本最大の在家仏教団体である創価学会にとって、仏壇とは何であり、創価学会の会員は何を基準に仏壇を選んでいるのでしょうか。
ポイントは、創価学会の会員の日常に根付く「勤行」と、信仰の根本対象である「本尊」にあります。家庭内における、その拠点こそが仏壇なのです。
日蓮聖人の教えに根ざし、個人の幸福の追求から世界平和までを目指す、創価学会の教義・理念の紹介を交えながら、「勤行」と「本尊」を軸に、創価学会にとっての「仏壇」について解説します。
目次
日蓮聖人の教えを伝える創価学会により日々仏壇の前で行われる「勤行」
創価学会は、尋常小学校の校長だった牧口常三郎氏が初代会長となり、1930年に創立された在家仏教の団体です。
牧口常三郎氏とそれに続く第二代の戸田城聖氏、第三代の池田大作氏の「三大会長」の指導によって発展し、現在、日本はもとより、海外192の国・地域に会員を得て、「万人の幸福」と「世界の平和」の実現を目標に活動しています。
創価学会は、日蓮宗の開祖である日蓮聖人の教えを継承しています。
日蓮聖人が、仏の悟りの真実を明らかにした仏典と考えたのが「法華経」であり、「法華経」は創価学会においても最も重要な経典と位置付けられています。
「法華経」の教えを世界に広めることを「広宣流布」と呼び、創価学会の大切な役割りとされています。
「創価」の語には「価値創造」の意味があり、創価学会は「恒久平和」「豊かな文化」「人間性あふれる教育」を推進し、その目的は幸福の追求であり、価値の創造です。
幼稚園から大学・大学院に至る教育機関を整備し、「創価」の理念を実践しており、会員の家庭では仏壇に安置された「本尊」に、日々「勤行(ごんぎょう)」が行われているのです。
創価学会には仏壇の仕様に関する規定はありません
創価学会の会員は、朝と夕の毎日二回、仏壇に向かい「勤行」を行います。
「勤行」とは、創価学会においては「法華経」の二十八品(二十八の章節)のうち、「方便品(ほうべんぽん)」の節と「寿量品(じゅりょうほん)の自我偈(じがげ)」の二節を音読し、「南無妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)」と題目を唱えることです。
「勤行」は、日々の生活のリズムを維持することにもつながり、会員にとって欠くことのできない日課です。
仏壇は毎日の、教義の実践の場となるわけですから、その選び方に心を砕くのは当然と言えましょう。
しかし仏壇そのものに関しては、創価学会には仏壇の形態や材質、色など仕様に関する規定はありません。
実際、会員はその住環境や好みに応じ、特に新たに仏壇を持つ場合には、さまざまなタイプのものを選んでいます。
古くから創価学会への信仰を持つ家庭では、重厚感と風格を誇る大型の「伝統仏壇」が主流です。
高級唐木の「黒檀」などを使用し、漆を施した上級の仏壇の存在感は別格です。
一方で、マンションやアパートに代表される狭小な住環境では、机やサイドボードなどに「上置き」できる「コンパクト仏壇」が選ばれています。
カラーもベーシックな「ブラック」「ブラウン」、近年人気の「ホワイト」に加え、「ピンク」系、「ブルー」系などバリエーションも豊富です。
住空間との調和を意識し、「家具調仏壇」を選ぶ会員も少なくありません。
材質やフォルム、カラーの選択の幅も広く、新作も次々発表されています。
創価学会にとっての仏壇とは「本尊」が安置された信仰の対象
創価学会は、今を生きることを大切にし、人と人とのつながりに重きを置く団体です。
寺院や僧侶が人々を導くとする伝統仏教とはさまざまな点で異なっています。
例えば、創価学会においては、葬儀は「友人葬」として執り行われ、「友人葬」において僧侶は必要なく、香典は不要で、戒名はつけません。
儀式や形式に埋没することなく、一人一人が現実の人生において幸福を追究することを是とし、それが文化・教育の交流、世界の平和と繁栄につながります。
そうした教えは、日蓮聖人の本来の仏法に由来するとされています。
そして創価学会では、仏壇に故人の位牌を置きません。
位牌には亡くなった人の霊魂が宿り、位牌を仏壇に置くことで故人の成仏につながると考えるのが伝統仏教ですが、創価学会はそもそも、死者の霊魂は存在しないという立場です。
創価学会の会員は、日々仏壇に向かい「勤行」を行います。
「勤行」は、仏壇に置かれた「本尊」に向かって行います。
つまり創価学会において仏壇は、位牌が置かれ、個人や祖先の霊に手を合わせる場所ではなく、信仰の根本対象である「本尊」が安置された、日々の信仰の対象です。
ですから創価学会の会員は、亡くなった人がいない家庭でも多くが仏壇を所有しています。
創価学会における仏壇の営み方は「勤行」の継続
創価学会における「本尊」は、日蓮大聖人が著した、宇宙と生命を貫く根源の法である「南無妙法蓮華経」の「文字曼荼羅」です。
「曼荼羅」とは、仏の悟りの世界を表現したもので、創価学会の「本尊」には、釈尊の説法が行われ、あらゆる衆生が集い、末法の人々の平和と幸福を願う「虚空会の儀式」によって「法華経」の世界観が表現されています。
「本尊」にはその表装の違いから「特装御本尊」「常住御本尊」などがあり、仏壇の中央に祀られます。
会員は「本尊」に向かい、鈴を打ち、朝夕の二度、「勤行」を行います。
日々、「本尊」を信じ、読経し、題目を唱えることは、日蓮仏法の根幹の実践となります。
毎日の「勤行」の継続で、本来人が内在している仏界という最高の生命が表出し、磨かれていきます。
創価学会の仏花「しきみ(樒)」
創価学会の仏壇では、仏花として「しきみ(樒)」を供えます。
樒は別名を「はなのき」「はなしば」「ぶつぜんそう」などという、春に花をつけるマツブサ科の小高木で、日本を含む東アジアの山間部に自生しています。
古来、仏教で仏前に備える花の一つとして用いられてきました。
「しきみ」を生かすには、水の管理が不可欠です。
特に夏場はこまめな水の交換が必要で、うっかりすると腐らせてしまうこともあるようですが、造花の「しきみ」を仏壇に供えてもまったく問題ありません。
創価学会は仏花が生であることを求めていません。
仏壇を営むのに必要な仏具類
創価学会の仏壇では、仏花として「しきみ(樒)」を供えます。
「しきみ」に限らず、「念珠」、「鈴(りん)」、「経本」、「香炉」、「線香」、「ろうそく」、水やご飯を供える「天目」、供物を供える「三宝」、過去帳などの台になる「見台」等々、仏壇を営むのに必要な仏具類はすべて専門店で手に入ります。
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現在のような形式の仏壇は、仏教国の中でも日本で独自に発展、進化した、いわば日本固有の文化です。
創価学会の誕生は昭和初期であり、長い仏教の歴史からすれば若い団体と言えますが、創価学会を信奉する家庭は今や国内に827万世帯。
八百万を超える「創価学会仏壇」に安置された「本尊」に、日々の「勤行」が行われており、日本全国に広まる独特の輝きを放っているのです。