仏壇の選び方 【更新日】
無宗教だとお仏壇にお位牌や仏具はいらない?
生活スタイルや価値観が多様化している現代社会では、自分は無宗教なのでお仏壇はいらないと考える方が増えています。 しかし身近な人が亡くなった時には、無宗教でもお仏壇にお位牌を置いたり何かしらの形で故人の供養をしたいと思うものです。
おそらく「無宗教の人にはお仏壇はいらない」と考える宗派の方も多いでしょう。
しかし、無宗教の人は自宅にお仏壇を置いてはいけないのでしょうか?
無宗教でも問題なく購入できるお仏壇や、お位牌の祀り方はないのでしょうか?
この記事では、無宗教の場合のお仏壇の選び方、そしてお位牌や仏具などの祀り方について紹介いたします。
目次
無宗教なのにお仏壇を引き継いでしまったら買い替えるというのもひとつの選択肢です
「自分は無宗教なのに、実家からお仏壇を引き継いでしまって困っている」といった話は近年では珍しくありません。
確かに、アパートやマンションなどの限られた居住空間に大型のお仏壇を設置すると、かなりのスペースを取られてしまいますよね。
それに、せっかく洋風の家具で揃えたオシャレなリビングに重厚に黒光りする伝統仏壇を置きたくないという気持ちもあるでしょう。
かと言って祖父母やご両親が大切にしてきたお仏壇を、まるでいらなくなった家具のように処分するというのは、たとえ無宗教だとしても抵抗があるのではないでしょうか。
そもそも無宗教だからと言って必ずしも完全に無神論者という訳ではなく、「何かしらの目には見えない力の存在は信じる」という方のほうが多いのではないでしょうか。
もしお仏壇を部屋に置きたくない理由がスペースやデザインの問題だけなら、最近主流な商品となっている「モダン仏壇」に買い換えれば全て解決します。
現代の住宅事情に合わせて生まれた「モダン仏壇」はコンパクトに造られ、洋間にも合うデザインのものが豊富に取り揃っています。
引き継いでいるのは形のあるお仏壇やお位牌ではなく「祖父母やご両親が大切にしてきた想い」という風に考えて、自分の生活環境に合ったお仏壇に買い替えてご両親の気持ちを引き継ぐというのも1つの選択肢かと思います。
モダン仏壇なら無宗教でお仏壇はいらないという方にもピッタリです
無宗教にお仏壇はいらない?
ご実家から引き継いだお仏壇を買い替えたい場合もそうですが、無宗教でも新たにお仏壇を購入したいという方もいるでしょう。
今までお仏壇はいらないと思っていた方でも、ご家族の誰かが亡くなった時には、お仏壇を置いて供養したいと考えてもおかしくはありません。
信仰心の強い方から見れば、お仏壇は小さなお寺でありご本尊を祀るもの。
亡くなった方を供養するためのものではありません。
無宗教用のお仏壇やお位牌というのは存在しませんが、お仏壇に故人のお位牌を置いて供養したいというのも尊重されるべき個人の自由です。
無宗教の方には、やはり仏教徒という印象が強い唐木仏壇や極楽浄土のイメージの金仏壇よりも、現代風に造られたモダン仏壇が購入しやすいかと思います。
無宗教の方に人気のモダン仏壇
リビングの雰囲気にも合うようにデザインされたモダン仏壇なら、無宗教の方やインテリアにこだわる方でも抵抗なくお使いいただけます。
モダン仏壇は色やデザインが豊富で、中には扉を閉めるとまるでオシャレな家具のようなものもあるので、来客の目を気にされる方でも心配ありません。
モダン仏壇は省スペース設計のお仏壇が多いので、床置き型でもそれほど邪魔にはならないと思いますが、お仏壇の存在感を極力抑えたい方には家具の上にも設置できる「モダンミニ仏壇」をお勧めします。
無宗教のお仏壇にはモダン位牌がよく選ばれます
本来は仏様を祀るためのものだとは言え、お仏壇は昔からご先祖や故人を偲んで供養する祈りの場所という役割も担ってきました。
ですから、無宗教の方がお仏壇に亡くなった大切な方のお位牌を置いて供養したいというのは誰にもとがめられることではありません。
たとえ無宗教の方でもお位牌を作ることは可能です。
最近ではモダン仏壇に合うお位牌として「モダン位牌」というものが販売されています。
ご実家から引き継いだお位牌をモダン位牌に作り替えるというのもいいかもしれません。
モダン位牌
モダン位牌は素材の幅がとても広く、黒檀や紫檀などの伝統的な素材からクルミ材や竹材、クリスタル製のお位牌まであるので、お部屋やお仏壇の雰囲気に合わせてお選びいただけます。
豊富な色やデザインの中から、きっと故人のイメージにピッタリのお位牌が見つけられることでしょう。
無宗教のお位牌に戒名はいらない?
無宗教ということはそもそも菩提寺がなかったり、今はお寺様との繋がりがないという方がほとんどでしょう。
戒名は亡くなった方が菩提寺のご僧侶から授かるものですから、無宗教の場合お位牌に戒名を入れる必要はありません。
現代では供養の形も多様化し、俗名(生前の名)でお位牌を作られる方も増えてきています。
この場合、表に俗名を入れて裏面に没年月日と享年を入れるケースと、表に俗名と没年月日を入れて裏面には享年のみを入れるケースとがあります。
俗名の後に「霊位」や「位」と付ける事で、戒名と同じ意味を持つそうです。
ただし戒名をつけないと言うことは、お寺様には仏式での葬儀や法要は必要ないという意味に取られる場合があることは意識しておきましょう。
無宗教のお仏壇にご本尊やお位牌を祀る時には最低限の仏具も揃えましょう
ご実家からお仏壇を引き継いだ場合は、たとえ無宗教であっても毎日のお参りは必要になってきます。
無宗教の場合のお仏壇の祀り方はありませんので、ここでは宗派などに関係なくできる基本の祀り方をご紹介します。
無宗教でもできる基本のお仏壇の祀り方
1.最上段の中央にご本尊、その左右に掛け軸、もしくは脇時(わきじ)と呼ばれる仏像をお祀りします。
2.お位牌は、ご本尊が隠れないように一段低い位置に安置します。そして段の中央には湯茶器と仏器を置きます。
3.次の段の中央には高月を置き、向かって左側に花立、右側に過去帳と見台を置きます。
4.最下段には香炉、ローソク立て、線香差し、リン等を配置します。
お仏壇の須弥壇(しゅみだん)が二段しかない場合は、手前と奥で仏具を置く場所を分けて設置します。
ここで紹介した全ての仏具が揃っていなくても、お仏壇に祀るべきご本尊やお位牌、そして供養に使う香炉、花立、ローソク立てとリンがあれば問題ありません。
最近はお仏壇にお位牌と仏具だけを置いて手元供養をされる無宗教の方が増えています
無宗教の方が故人の供養のためだけにお仏壇を購入する場合には、手元供養にするというのも1つの選択肢です。
手元供養とは故人のご遺骨やご遺灰の一部を自宅で保管して供養するという宗派や慣習にとらわれない比較的新しい供養方法です。
手元供養の場合は、モダンミニ仏壇よりも更にコンパクトでリーズナブルな「パーソナル供養台」を利用する方が多いです。
手元供養に必要なのは故人のお位牌やご遺骨を収めたミニ骨壺、そして供養に最低限必要な三具足(みつぐそく)の香炉、花立、ローソク立てと、お参りに欠かせないリンだけです。
初めてでどんな物を揃えたらいいのか分からない場合は、お得なセット販売を利用するのもいいと思います。
仏事コーディネーターが厳選したお仏壇セットや仏具セットを購入すれば、大きさやデザインを考えてひとつひとつ揃える必要がないので大変便利です。
この記事では、無宗教の方にお勧めのお仏壇やお位牌についてご紹介しましたが、ご実家のお仏壇を継いだ場合やご先祖や故人の供養をする場合には、予め他のご家族やご親戚に相談した方がいいでしょう。
いずれにしろ生活が多様化し個人の自由が尊重される現代には、昔ながらの宗派の考えや慣習にとらわれない無宗教でもできる信仰の形、供養の形が必要なのではないでしょうか。