仏壇の選び方 【更新日】
浄土真宗本願寺派のお仏壇選びにお手続き、仏具の飾り方や日々のお参りの仕方まで解説
浄土真宗本願寺派の方は、一昔前まではほとんどの方が金仏壇を選ばれてきました。
しかし最近では唐木仏壇やモダン仏壇などを選ばれる方も増えています。
いずれにしろ、お仏壇は生涯に渡ってご家族間で大切にするものですから、慎重に選びたいものです。
お仏壇を購入する際には、宗派のお仏壇に合う仏具も選んでおきましょう。
購入後には必要な法要を行い、仏具をお仏壇に適切に配置してから日々のお参りを始めましょう。
本記事では、浄土真宗本願寺派の方を対象に、お仏壇に関する内容を網羅的に解説します。
目次
浄土真宗本願寺派は日本最大の仏教宗派です
浄土真宗本願寺派は、日本最大の仏教宗派で最も多く信者がおります。
ご本山は西本願寺です。
こちらは通称であり、正式には「龍谷山本願寺(りゅうこくざんほんがんじ)」です。
とはいえ基本的には西本願寺の通称でお呼びすることが一般的です。
京都府京都市下京区に位置し、京都府民からは「お西さん」とも呼ばれています。
境内などは国宝はもとより、世界遺産にも登録されています。
浄土真宗本願寺派の宗祖は「親鸞聖人(しんらんせいじん)」であり「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)、無量寿経(むりょうじゅきょう)、阿弥陀経(あみだきょう)」を経典とします。
代表的な宗旨は「浄土門の念仏を唱えることで、死後に浄土へ導かれる」とするものです。
浄土門の念仏とは「南無阿弥陀仏」という念仏であり、「阿弥陀如来様を信仰いたします」という意味です。
念仏を唱えるだけで浄土へ導かれることから、他力念仏とも呼ばれています。
浄土真宗本願寺派はお仏壇や、お参りの際に用いる仏具などには、多くの特徴があります。
日本最大の仏教宗派であるため、ほとんどのお仏壇店で取り扱えることは、強みといえるでしょう。
浄土真宗本願寺派のお仏壇は「金仏壇」ですが同じ浄土真宗の大谷派の仏壇と間違えないように
浄土真宗本願寺派のお仏壇は「金仏壇」が基本とされます。
なお、金仏壇は同じ浄土真宗系の流派である真宗大谷派のお仏壇もあるため、間違えないようにしたいものです。
浄土真宗本願寺派の金仏壇は、全体が金箔一色で覆われており、「一重破風屋根(いちじゅうはふやね)」になっています。
そして「宮殿(ぐうでん)」は、西本願寺の阿弥陀堂を模した造りになっています。
奈良時代に浄土真宗が誕生して以降、金仏壇が用いられてきました。
お仏壇に金箔が使用されているのは「阿弥陀如来様のおられる極楽浄土を表しているから」とされます。
江戸時代後期以降、高級な唐木材が輸入されるようになり、金仏壇だけでなく唐木仏壇もつくられるようになりました。
また最近では洋風建築の増加などの住宅事情に合わせて、モダンな家具調仏壇もつくられるようになっています。
浄土真宗本願寺派のお仏壇の選び方は仏壇店に相談するのが無難
浄土真宗本願寺派のお仏壇を選ぶ際には、まずどのくらいの予算があるのかで決めましょう。
お仏壇の値段によってご信心に差がでることはありませんので、ご家族と相談し価格を定めましょう。
続けてお仏壇を設置する部屋を決めましょう。
お仏壇を設置する部屋は特に制限などはありません。
家族全員がお参りできるように、家の中心や通路に近い部屋などがお勧めです。
また、方角なども特に制限などはありません。
とはいえお仏壇は長年使う大切なものですから、強い日差しが差し込む場所や、湿気の多い部屋などは避けましょう。
続けて、部屋の中でお仏壇を設置する場所の採寸をしましょう。
お仏壇を設置する場所は「人が数名居ても狭くなりすぎない場所」がよいでしょう。
法事やお正月行事など、「特別な日にお参りをする人が増えたときのこと」も考慮したいものです。
大体の予算と安置する部屋、設置場所の寸法を確認したらお仏壇店に相談します。
実際に訪問して確認することをお勧めいたしますが、最近ではインターネットでのお問い合わせなども可能になっています。
お仏壇店へ連絡を取ることで、必要なお手続きなどが案内されるためスムーズにお仏壇を選べます。
また、お仏壇と一緒にご三尊や仏具など、必要なものの相談もできるので安心です。
合わせてお寺様へもお仏壇を設置したい意向を伝え、ご助言を求められることも大切です。
浄土真宗本願寺派のご三尊は「掛け軸」、仏具は「黒塗りや焼き色のついたもの」
ご三尊
ご本尊に阿弥陀如来様、左脇侍は親鸞聖人であり、右脇持は「蓮如上人(れんにょじょうにん)」と定められています。
浄土真宗本願寺派のご三尊は、ご本尊として阿弥陀如来立像と両脇侍は絵像の脇掛とする、または全てを絵像の掛軸とするのが一般的です。
すべてを仏像ご本尊とすることもありますが、最近ではその例は減少してきました。
ご三尊の形式は地域やお寺様の意向によって違いが見られるため、お仏壇店でご購入する前に、お寺様へご相談なされることをおすすめします。
仏具の選び方
浄土真宗本願寺派の仏具は「黒塗りや焼き色のついたもの」とされています。
そして浄土真宗では一般的な仏具の組み合わせである「三具足(みつぐそく)」や「五具足(ごぐそく)」のみならず、「四具足(しぐそく)」も必要になります。
その他にも「供笥(くげ)、高杯(たかつき)、菊輪灯(きくりんとう)、おリン、打敷(うちしき)、法名軸(ほうみょうじく)、過去帳、その他諸々」と、様々な仏具が必要です。
これらの仏具を購入する際には、お仏壇を購入した店舗で仏具セットをお求めになるとよいでしょう。
浄土真宗本願寺派のお仏壇を購入した後にはまず入仏法要を行います
入仏法要
お仏壇を購入した後は、お寺様へ「入仏式(にゅうぶつしき・入仏法要)」をご依頼します。
新しくご本尊をお仏壇へ祀る際に、ご住職様に読経していただきましょう。
お仏壇への仏具の飾り方
浄土真宗本願寺派の場合、四具足を「上卓(うわじょく)」へ設置し、三具足や五具足を「前卓(ぜんたく)」へ設置します。
過去帳は向かって右側の最下段か、経机に見台を設置し、その上に安置します。
法名軸をもちいる場合は仏壇の左右の壁から吊り下げます。
供笥はご三尊の一段下へ設置します。
この時、辺ではなく面が正面を向くように設置します。
菊輪灯はお仏壇の上部から左右対称に設置します。
浄土真宗本願寺派のお仏壇での供養には四具足の火立を使います
ご家庭にお仏壇が設置されましたら、日々のお参りを始めましょう。
お仏供の供え方
まず朝一番にご三尊へ「お仏供(おぶく)」として炊きたてのご飯をお供えします。
このとき六角形の供笥に、ご飯を山のように盛り付けてお供えします。
なお、浄土真宗では仏様はご飯を召し上がるわけではなく、立ち上る湯気を召し上がるものとされるので、湯気が立たなくなった頃にはお下げします。
お下げしたご飯はご家族でいただきますが、衛生的な面で気になる方は、無理にいただかなくとも構わないとされています。
燃香の仕方
浄土真宗本願寺派ではお線香に火を灯し、「土香炉(つちこうろ)」に寝かせてお供えします。
このときお線香は数回折って入れ、火の灯っている箇所を左側にします。
線香を横に寝かせて設置するため、線香が比較的短時間で消灯します。
燃香は火によって供養するものではなく、香りによって供養するものです。
したがって「線香の香りがお部屋に行き渡るくらいの間燃えていればよい」とされます。
ローソクの使い方
浄土真宗本願寺派は四具足の一つとして「ローソク立て(燭台・火立)」をもちいます。
礼拝の際は燃香に加えて、ローソクに火を灯します。
使用するローソクは主に白いものを使用しますが、他にも朱いローソクも用いられます。
ただし、こちらはお寺様によって違いが見られるため、ご確認しておくとよいでしょう。
浄土真宗本願寺派のお仏壇や仏具には様々な特徴がありますが、こうした特徴を踏まえ、後悔しないよう慎重にお仏壇や仏具を選びましょう。
されど最も大切なことは、常日頃からお仏壇をお参りすることです。
お仏壇を購入する際には、ぜひとも購入したその先の日常をご想像していただきたいのです。
お仏壇は生涯に渡る、ご家庭の宝ともいえる存在です。
その大切なお仏壇を必要とされたときには、ぜひとも当店のようなお仏壇の専門店・専門家にお声掛け頂けますと幸いです。