仏壇の選び方 【更新日】
仏壇の移動・引越し方法と必要な供養や費用とは?
仏壇の移動には事前の準備が必要です。
仏壇はご本尊をお祀りしご先祖を供養する小さなお寺であり、そこには魂が宿っていると考えられています。
そのため家具と同じようにあつかうことはさけなければなりません。
このような理由から、仏壇の移動に必要な供養や礼儀作法を守るようにし、そして仏壇の方角(向き)と置き場所にも細心の注意をはらいましょう。
仏壇の移動で考えられるケースはこの3つです。
・同じ家の部屋から部屋への移動
・同じ部屋の中での配置換え
・新居への引越し
今回は仏壇の移動のときに、ご本尊とご先祖に失礼にならないようにするのはもちろん、移動後も家族みんなで安心して礼拝ができるように仏壇の移動に必要な引越し方法や供養、そして費用についてご紹介します。
目次
仏壇の移動の前と移動の後には供養が必要です
仏壇の移動はケースによって供養の要不要が決まります。
仏壇の移動前の供養:閉眼法要
仏壇の移動の前には「閉眼法要(魂抜き)」といわれる供養が必要です。
この「閉眼法要(へいがんほうよう)」は、ご本尊や位牌から魂をぬき仏壇を『物』にするための供養です。
菩提寺から僧侶にきていただいておこないます。
引越しの1ヶ月程前から菩提寺と閉眼法要の日程を調整をする必要がありますが、法要は移動の1週間~前日までに終わらせておけば問題ありません。
閉眼法要は宗派によって「魂抜き」「御霊抜き」「お精魂抜き」などいろいろな言い方があります。
仏壇の移動後の供養:開眼法要
開眼法要(かいげんほうよう)は、閉眼法要で魂を抜いたご本尊と位牌に魂を入れる供養です。
開眼法要でよく勘違いされやすいのですが、法要の対象は仏壇ではなく仏壇に安置するご本尊と位牌に対しておこなうものになります。
開眼法要も宗派によって「開眼供養」「入魂式」「魂入れ」などいろいろな言い方があります。
浄土真宗では開眼法要をおこなわないかわりに「御移徙法要(おわたましほうよう)」という法要をおこないます。
仏壇の移動で供養が必要なのは「家の外」への移動
仏壇を家の外にださないで同じ家の別の部屋に移動をする場合は供養の必要はありませんが、気になる場合は菩提寺に確認してください。
なお、同じ部屋の中で仏壇の移動や配置がえをおこなう場合も供養の必要はありません。
それでは移動のケースによって供養が必要な場合がありますのでご紹介します。
新居へ引越しの場合
閉眼法要と開眼法要が必要です。引越しの前日までに閉眼法要を終わらせます。
そして旧居では仏壇は一番最後に運び出し、新居では一番最初に仏壇を運び入れます。
仏壇の運び出しと運び入れのルールを知らない引越し業者もいるので引越しのときにひとこと伝えておくとスムーズです。
仏壇の移動はプロにまかせると安心!仏具の配置は写真で記録
実際に仏壇の移動をおこなう場合、各ご家庭の事情でいくつかのケースが考えられます。
それぞれのケースでの移動の手順や方法をご紹介します。
自分で仏壇を移動する場合
自分で仏壇の移動をおこなう場合は、仏壇と新しく仏壇を置く場所のサイズ(縦・横・高)を事前に測る必要があります。
また室内のドア、玄関口のサイズも測っておくことに加え、仏壇を移動するときに使う廊下などの通路も仏壇を通すことができるか確認しておく必要があります。
これらを確認しておくと移動の計画も立てやすく当日のトラブルも避けることができます。
引越し業者に仏壇の移動を依頼する場合
仏壇の移動を引越し業者に依頼することができます。
仏壇の移動には供養や作法などの専門知識を必要としますが、大手の引越し業者では仏壇の引越しサービスをおこなっているところが数社あります。
専門知識のない引越し業者に依頼した場合のトラブルを避けるためにも、仏壇の引越しをサービスとしてホームページなどに明記している引越し業者に問合せるようにしましょう。
仏壇店に仏壇の移動(引越し)を依頼する場合
仏壇店が仏壇の移動や引越しの対応をしてくれる場合があります。
仏壇を購入していない仏壇店でも対応してくれる場合もありますので、まずはお近くの仏壇店に相談してみましょう。
仏壇店に依頼するメリットは宗派ごとの仏具の取扱や礼儀作法などの専門知識をもったスタッフが対応してくれることです。
閉眼供養や開眼供養等のアドバイスをもらえる場合もありますので安心して仏壇の移動を行いたい場合はオススメです。
仏壇の運び出しと運び入れの手順について
引越しの場合、旧居では一番最後に仏壇を運び出します。
そして新居では一番最初に仏壇を運び入れます。
このルールを知らない引越し業者もいるのでひとこと伝えておくと安心です。
仏壇を移動する前に写真を撮影する
仏壇からご本尊や位牌や仏具を取り出す前にスマホなどで仏具などの配置がわかるように必ず仏壇の写真を撮影しておきましょう。
写真を撮影しておかないと再びもとの状態に戻すときに大変苦労します。
仏壇の移動時には位牌と本尊は自分で運び、移動先の置き場所と向きにも注意しましょう
仏壇の移動はどんな日におこなうのが望ましいのか、また移動で気をつけるべきポイントについてご紹介します。
仏壇の移動の日取りについて
冠婚葬祭など六曜を気にする方は多いです。
六曜とは先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口のことでカレンダーなどに書かれている、何か新しいことをはじめる時に参考にする私たちに大変なじみの深い教えです。
しかし六曜は仏教と直接の関係はありません。
ですからご家族が日取りを気にしない人ばかりなら、都合のいい日に仏壇の移動をおこなってもいいでしょう。
特に仏滅は引越し費用が安くなる場合があるので日取りを気にしない場合はオススメです。
もしご家族の中に一人でも日取りを気にする人がいらっしゃる場合は六曜を参考にして移動することをオススメします。
本尊と位牌の移動について
ご本尊と位牌は自分たちで運ぶのが理想です。
その理由ですがご本尊は信仰の対象で位牌は供養の対象だからです。大切に取りあつかってください。
仏壇を置く向き(方角)と場所について
仏壇はご本尊をお祀りしご先祖を供養する大切なものです。
そのため方角と場所には細心の注意をはらわなけれならないと考える人も多いことでしょう。
仏壇の移動や引越しの費用の相場は3万5千円〜
最後に仏壇の移動や引越しにかかる費用や相場についてご紹介します。
費用が必要になるのは供養と引越し費用の2つです。
菩提寺へのお布施
仏壇の移動のときに必要な供養は、引越し前の閉眼法要と引越し後の開眼法要です。
これらの供養が必要になるのは仏壇を家の外に出して別の場所に移動するときなので旧居から新居への引越しのときに必要になります。
供養に必要なお布施の相場はこちらです。
・閉眼法要…1万円~5万円
・開眼法要…1万円~5万円
・お車代…3千円~1万円
僧侶にきていただくのでお車代も必要になります。
お膳代は必要ないでしょう。
ただし相場はあくまでも目安です。
地方によって金額が変わる場合もあるので、お布施をいくらにしたらいいのかわからない場合は年配の親戚や仏壇店に相談するといいでしょう。
僧侶にお布施をお渡しするときは、お布施とお車代はそれぞれ別の白い封筒に入れます。
そしてお布施をお渡しするタイミングは僧侶がお帰りになるときです。
お布施の手渡しはマナー違反になるので切手盆にお布施とお車代をのせてお渡しします。
切手盆がない場合は黒い四角のお盆で代用してください。
業者への支払い
仏壇は美術品あつかいになる場合が多いため、通常の家具よりも割高になる場合があります。
引越し業者は仏壇の引越しサービスがあるところを選ぶと安心です。
また仏壇の引越しサービスをおこなっていなくても仏壇専門の業者と提携している場合もあるため、まずは業者に連絡して相談と見積もりの依頼をします。
そのとき、ひとつの業者だけでなく必ず複数の業者に見積を依頼することをオススメします。
今回は仏壇の移動についてご紹介しました。
仏壇はご本尊をお祀りしご先祖を供養する大切なものです。
生活様式の変化を理由に昔から受け継がれてきた仏壇の供養も簡略化されつつあります。
そんな時代だからこそ家族にとって大切な仏壇の供養や移動はできるだけ丁寧におこない、移動した先で清々しい気持ちをもって礼拝をはじめられるようにしましょう。