仏壇の選び方 【更新日】
お仏壇に飾る花の種類が1種類でも良い理由
お仏壇に飾る花は仏花(ぶっか)と言い、季節ごとに適した花の種類があります。
ご先祖様を供養するために重要な役割を果たすものですから、お仏壇に飾る花の本数や、飾ってはいけない花の種類に気をつけたりする必要があります。
また枯れたり、傷んでしまったり、虫がわいたりしないように毎日のお手入れもかかせません。
ここでは春・夏・秋・冬それぞれの季節に適したお仏壇に飾る花の種類や飾り方、お手入れの方法に加え、忙しくて毎日お仏壇に飾る花のお手入れが難しいという方向けに、毎日の仏花のお手入れのお手間がかからない造花・常花(じょうか)のご紹介をいたします。
目次
お仏壇に飾る花に適しているのは「毒」「トゲ」「ツタ」の無い長持ちする種類のお花です。
お仏壇に飾る花は生花の場合、季節ごとに適した花があります。
春:キンセンカ、アイリス、ストック
夏:りんどう、キンギョソウ、ケイトウ、グラジオラス
秋:ほおずき、ミソハギ
通年:菊(輪菊、スプレー菊、小菊、ピンポン菊)、百日草、カーネーション
仏花にはどの花を飾らないといけない、というような明確な決まりはありませんが、お手入れの事を考えて、長持ちする種類のお花が選ばれているようです。
もちろん、ご先祖様や故人の供養の為に飾るものですので、故人が好きだった花を飾るのも問題ありません。
ですが、お仏壇に飾る花に適さない種類の花というものもあります。
これはご先祖様や故人の供養という意味で適さないという事ではなく、お仏壇に飾る花の種類によっては毎日のお手入れをするのに適さないという意味です。
【傷みやすい花・散りやすい花】
ツバキ、さざんか、ユリ
お仏壇の花が枯れやすい種類、痛みやすい種類の花だと、数日で傷んだり、枯れてしまったりすることがあります。
ご先祖様、故人の供養のための仏花が、傷んでいたり枯れていたりしていてはいけません。
【トゲのある花・毒のある花】
シャクナゲ、キョウチクトウ、あせび
バラ、あざみ
お仏壇の花の種類が、トゲのある花だったり毒のある花だったりすると、仏花の毎日のお手入れの時に、トゲが刺さって血が出てしまったり、毒に触れて体調を崩したりしてしまいます。
大切な子孫が怪我をして、ご先祖様、故人が心配したり悲しんだりしないようにする為にもお仏壇に飾る花の種類にはトゲや毒のある花はさけましょう。
【匂いが強い花】
ユリ
匂いが強い花は、お線香の香りと混じってしまいます。
また花粉がお仏壇や仏具につくとシミになってしまうこともありますのでお仏壇に飾る花の種類には適しません。
【ツタを巻く花】
クレマチス、ニンドウ、つるバラ
ツタを巻く花は、仏教の「樹心仏地」という教えに反するという考えから、仏花としては使われません。
お仏壇に飾る花は種類にかかわらず本数は奇数でひし形に飾り、お手入れは毎日行いましょう。
お仏壇にお花を飾る時は「花立(はなたて)」を使いお仏壇の両脇に設置します。
白、黄色、紫の組み合わせで「3本」「5本」「7本」「9本」「11本」「13本」「15本」と奇数の本数を飾ります。
背の高い花を1本中心に置き、ひし形になるように形作ります。
四十九日までは、白か淡い色のお花を飾ることが多いですが、絶対にそうでないといけない訳ではありません。
仏花のお手入れは毎日行いましょう。
毎日お手入れをすることによって仏花が長持ちします。
【お仏壇に飾る花のお手入れ方法】
・生ける前に水を良く吸うように、茎の切り口を5ミリくらいカットしてから花瓶へ生けましょう。
水の量は花瓶のおよそ1/3程度にします。
中性洗剤を少量だけ水にいれると界面活性効果で水の吸いがよくなります。
・水替えは毎日行いましょう。
水替えを怠ると水が濁ってしまい雑菌やバクテリアが発生する原因になります。
・数日間、花を束ねたままにしておくと、雑菌やバクテリアが繁殖しやすくなります。
仏花を生けてから3日目以降は束ねている紐をほどいてあげて、茎をきれいな水で洗います。
お仏壇に飾る花は種類により夏場で2日、長くて10日の寿命で費用は毎月3000円〜
お仏壇に飾る花を毎日お手入れしても、7日から10日も経つと傷んできたり、しおれて来てしまいます。
夏場では、暑さで花も早く痛みますので2日程度しか持たない場合もあります。
ご先祖様、故人の供養のための仏花ですので枯れてしまった仏花は、できれば土に戻してあげてください。
仏花を生花店で購入すると1000円程度はしますので、毎日、仏花のお手入れして10日持ったとしても毎月3000円ほどの出費になってしまいます。
菊が一年を通じて仏花として用いられるようになったのは、一年中手に入りやすくて、長持ちするからですが、菊よりも長持ちして、毎日のお手入れの手間の少ない仏花をご紹介します。
仏壇に永遠に咲き続ける花の種類「常花」のメリット・デメリット
常花(じょうか)は、蓮の花をかたどった造花で生花では手に入りにくかった蓮の花の代わりとして用いられます。
仏教では、蓮は泥の中に生えていながら美しい花を咲かせることから、悟りを象徴する重要なシンボルとされています。
「生花」で無いことに疑問をいだかれる方もいらっしゃいますが、そもそも供養はお供えする方の気持ちが一番大切です。
常花は生花ではありませんので、毎日のお手入れが必要ありません。
ホコリは積もってしまいますので、時折やわらかい布で拭き取ってください。
【常花のメリット】
・毎日の水替えの必要がない
・水を使わないので水が腐って悪臭を発することが無く衛生的
・水を使わないので持ち運びが簡単
・水を使わないので寒冷地方での凍結によって花瓶が割れることがない
・花びらや花粉、葉が落ちない
・枯れない 傷まない
・短い周期で買い換える必要がない
毎日のお手入れの手間がなく、衛生的で腐水による汚損、凍結による破損の心配もありませんので非常に便利です。
【常花のデメリット】
・生花ではないので香りがない
・浄土真宗ではお供えする花は生花に限られる為、使うことが出来ない
仏壇を彩る常花の種類は金色と彩色があります
常花(じょうか)は、蓮の花をかたどった造花です。
仏教では、蓮は泥の中に生えていながら 美しい花を咲かせることから、悟りを象徴する 重要なシンボルとされています。
常花とは、「永遠に咲き続ける花」「枯れない花」 を意味しています。
お仏壇を荘厳(美しくおごそかに飾ること)する ためのもので、生花では手に入りにくかった 蓮の花の代わりとして用いられます。
軽量なアルミ製や重厚な真鍮製の物が多く、3本、5本、7本、9本、11本、13本、15本など奇数の本数の物があります。
また、すべて手作りで製造している為、花の高さには若干のバラつきがあります。
【常花 金色】
光沢があり、華やかな一般的な常花です。
「枯れない花」である常花を、錆びることのない「金」の色で包み込んだ永久性を象徴しています。
【常花 消金】
金色より光沢の少ない上品な印象の常花です。
落ち着いて高級感のある姿は、お仏壇にフィットします。
【常花 淡彩色】
ほんのりと着色された優しい印象の常花です。
モダンなお仏壇にも自然に馴染むことができます。
【常花 彩色】
しっとりと着色されたあざやかな常花です。
落ち着いた色彩のお仏壇のアクセントになります。
お仏壇に飾る花の種類は様々な種類がありますが、毎日の仏花のお手入れに疲弊して、笑顔でお仏壇の前に立つことができなくなってしまっては本末転倒です。
お仏壇に飾る花の種類が1種類でも良い理由は、無理をして生花にこだわるよりも、経済的にも肉体的にも精神的にも、過剰な負担なくご先祖様や故人を供養できることが一番大切だからです。