仏具の選び方 【更新日】
仏具の小物は日々の供養や法事、手元供養もサポートします
仏壇が置いてあるご家庭では、すでに仏壇中央にご本尊やお位牌が祀ってあり、三具足(みつぐそく)やリンなどの基本の仏具を揃えて供養していらっしゃると思います。
実家から仏壇をそのまま引き継いだ場合などは、仏壇と共にやってきた昔ながらの仏具が全てだと思ってしまうこともあるでしょう。
しかし仏具には実に様々なものがあり、更には少しでも快適な供養ができるようにと考案された新しい仏具もどんどん出てきています。
あまり知られていないけれど便利な小物もあるので、持っておくと日々の仏壇供養がもっと快適になると思います。
ここでは、基本仏具以外であったら便利な仏具の小物をご紹介します。
目次
仏具の小物は日々の供養をサポートし「あると便利」を実現します
仏前では香炉、ローソク立て、花立、茶器、仏器などの具足を使って「香り、灯り、花、浄水、飮食」の供養をしますが、基本具足の他に以下のような小物があると、日々の供養がよりスムーズになります。
香り供養に使われる小物
線香差し(線香立て)
仏前に供えるお線香を立てて、仏壇の香炉の近くに置きます。
香炉石
通常お線香は香炉の中の「香炉灰」に立てますが、最近はおしゃれでお手入れが簡単な香炉石もよく使われています。
灰ふるい・灰ならし
香炉の中に残った線香の燃えさしを取り除いたり香炉灰の表面を整えたり、手を汚さずに灰のお手入れができるのでとても便利です。
灯り供養に使われる小物
マッチ、ライター
昔ながらのマッチもいいですが、やはりチャッカマン等はあると便利でしょう。
マッチ消し
仏前では火は口で吹き消さず手で扇いで消すのが基本ですが、マッチ消しがあればもっと簡単に火が消せます。
マッチの燃えかすもマッチ消しに入れましょう。
ローソク消し
ローソクの火が燃え尽きるのを待てない時でも、これを使って火を消せば安全です。
花供養に使われる小物
常花
一般的に仏花には生花が使われますが、お手入れの点から最近は枯れない花である常花や造花も人気があります。
浄水・飮食供養に使われる小物
仏器膳(仏器台)
上に茶器や仏器をのせ、一段高くして仏様にお供えするためのお膳です。浄土真宗では「仏器台」を使います。
仏具には法事やお盆の時に活躍する小物もあります
法事や故人の命日、盆や彼岸など特別な時に使う仏具の小物もあります。
お盆
焼香盆
焼香の時に香炉を置くための盆で、立ち上がって焼香をする脚付きタイプと、座ったまま廻して焼香を行うお盆タイプがあります。
切手盆・長手盆
金封などを贈る時に使う黒塗りの盆で、法事ではお坊さんにお布施を渡す際に使用します。
法事などの時に活躍する卓や台
正式に五具足でお祀りする時や、多くのお供えの品を頂いた時には仏壇の前に卓や台を置くと重宝します。
経机(きょうつくえ)・御供机(おそなえつくえ)・仏具机(ぶつぐづくえ)
もともと経机は経本を読むため、御供机は御供えものを置くための机でしたが、現代では共に法要の仏具やお供え物、飾りを置く台として利用されているので「仏具机」とも呼ばれます。
上卓(うわじょく)・前卓(まえじょく)
こちらも経机と同様に仏壇の前に置いて仏具やお供え物をおく台です。
「上机(うわづくえ)」や「前机(まえづくえ)」とも呼ばれます。真宗大谷派では「阿弥陀卓」が使われます。
お供え物を置く台
仏具には特別なお供え物をする時の小物があります。
仏膳(ぶつぜん)・霊供膳(れいぐぜん)
法事や命日の時に精進料理を供えるお膳セットで、親椀(ご飯)、汁椀(みそ汁等)、平椀(煮込み物)、壷椀(煮物やゴマ和え)、高皿(漬物)を入れてお供えします。
高月(高坏)
お菓子や餅、果物などを一段高くしてお供えするための台で「供物台」とも呼ばれます。浄土真宗系では「供花(きょうか・くげ)」を使います。
段盛(だんもり)
供花と同じく主に浄土真宗で、仏壇にお菓子などを供える数段ある供物台です。
さとう盛り
砂糖でできたお供物で、高月や供花の上に飾ってお供えします。
盆提灯
お盆時期にはご先祖様や故人が迷わず家に戻れるよう、仏壇の前や精霊棚に盆提灯を飾ります。
初盆(新盆)の時には白提灯が使われます。
読経の時に使う仏具の小物は数珠、経本、座布団、木魚などがあります
法要などで読経が執り行われる時には、普段とは違う仏具の小物が登場します。
数珠
もともとお経を唱える回数を数える道具でしたが、現在は主にお葬式や法要の時に合掌して使います。
数珠は男性用と女性用に分かれていて、宗派によっても異なります。
経本(きょうほん)
仏教の教えを記した「経文」が書いてある経本は宗派ごとに違います。
お経の種類と同じ数の経本が存在し、同じ宗派でも地域やお寺によって使用する経本は変わります。
御前座布団(おまえざぶとん)
仏壇座布団や仏前座布団とも呼ばれます。
仏具の座布団は一般のものの1.5~2倍のサイズで、主に仏壇で読経をあげるお坊さんに使っていただきます。
木魚(もくぎょ)
音を鳴らす木製の法具で、革や布で包んだバチで叩いて使います。
木魚を打つことで読経の拍子を取り、精神統一を行います。
手元供養の時に使う仏具の小物
手元供養とは、宗教や風習の枠にとらわれずに生活の中で自由に故人を偲ぶという新しい供養の形です。
故人の遺骨や遺灰をお墓ではなく手元の仏具に入れて自宅供養するので、アパート等の限られた空間でも供養できるような小物が豊富に揃っています。
パーソナル供養台
手元供養の仏具の小物が置ける仏壇がわりの飾り棚です。
扱いやすいコンパクトサイズですが、基本仏具の他に故人の写真や思い出の小物なども飾ることが可能です。
和洋室で使えるシンプルな供養台からリビングのインテリアにもなるオシャレな物まで販売されています。
ミニ骨壷
分骨した遺骨や遺灰の一部を中に収めて保管する小さい骨壷です。
供養スペースが限られていたり、他のご家族が自宅管理している遺骨を分納したい場合にも使えます。
仏壇に設置するだけではなく簡単に持ち運べる手のひらサイズです。
骨壷ペンダント
アクセサリーとして身につけられるタイプのミニ骨壷なら、大切な故人と一緒に思い出の場所などに出かけることもできます。
仏具以外にあると便利な仏壇周りの小物
収納道具
仏具収納セット
線香入れ、ローソク入れ、小物入れ付きの収納セットは、法事や来客時にも重宝します。
お手入れ道具
仏壇を長く使うためには日々のお手入れがとても大切です。
マイクロファイバー製の仏壇クロスや毛はたき等があれば、大切な仏壇や仏具を傷めずにお手入れできます。
安全対策用品
火防(ひぶせ)
普段から防火加工された火防を経机などに掛けて使っていれば、香炉やローソク立てをうっかり倒してしまっても大切な仏壇に燃え広がりません。
地震対策シート
仏壇の下に地震対策用の滑り止めシート等を使ってしっかり保護しておけば、地震が起きた時の備えになります。
仏具の小物は様々なものが販売されていますが、ご家庭に仏壇のある方でも意外とその存在を知りません。
便利な小物も多数あるので必要に応じて揃えておけば、法事や日々の供養がより快適に行えるようになると思います。